強迫性狂愛
「あ、や…違うの。ほら、私の手が欲しいって…前言ってたから、その…」

「あぁ…」

「それって…どうしてそう、思ったの?」


ドクン、ドクン……心臓が強く波打っていくのがわかる。


「…どうした、何かあったのか?」


訝しげに私の顔を覗く迅に、思わず顔を背けた。


「なんでもない、……ごめん。こんなこと聞くの変だよね」


曖昧に笑って、言葉を濁した。

未だ乾ききっていない髪の毛を触れながら「乾かしてくる」とベッドから降りようとしたその時。


「言え」

「……え?」


妙に掠れた声で返してしまった自分の声に、思った以上に動揺しているのだと今更気付いた。

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