強迫性狂愛
「今、誰もいないから。俺ドア閉めて待っててやるから着替えろよ」


私の言葉を待たずに、十河君は扉を閉めた。


「なんで…零すの?」


しかも、コーラって…

少しだけ湿った太ももを気にしながら、急いで着替え終わると


「もうすぐ体育祭終わる」


覗いていたんじゃないかって思うほどちょうどいいタイミングで十河君は入ってきた。


「もも、体操服。洗って返す」

「いいよ、別に」

「いいから、よこせって」


強引に私の手の中からなくなる体操服を見送って、床に零れてしまったコーラを雑巾で拭いていると


ピ、と何か、電気質の音が聞こえた。

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