強迫性狂愛
「なんで、疑問系になるんですか?」

「ブハッ、そこが疑問なの?」

「だって…」

「いいなー、想像以上」

「携帯、返してください…っ」

「ん、返す、返す」


手元に戻ってきた携帯をピンクの携帯を見つめて


また――…思い出してしまう。



『百花』



じわり、と目尻に涙が溢れてくる。


お父さん…お母さん……会いたいよ……。


溢れそうになった涙を飲み込んで、体操服のポケットに携帯を入れると


「もも」

「なに?」


震える唇を、隠すように話した。

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