強迫性狂愛
「陰華の巫女って……何?」


正直なところ、十河君の話だけじゃ意味がわからない部分が多くて…。


「…誰に聞いた」


迅の執拗な質問に、私はため息を零した。


「十河君だよ」

「………」


迅の眉間の皺が増えたことは、あえて気にしない。


「触れることで癒しを、接吻することで気を。交わることで……相手を変えるって…聞いたよ。それって――…」

「黙れ」


迅の地響きのような低くて、凄みのある声に一瞬にして体が震え上がる。

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