強迫性狂愛
「ないなぁ~…」
あれから――…ネットで調べても、辞書で調べても『陰華の巫女』なんて言葉については何も書かれていなかった。
十河君の言葉の真意が知りたくて、自分のわかる範囲で調べようとしてみたのだけど…
「なにも、わかんないよー」
自分の部屋にあるパソコンのイスに座ってグルグルと回っていると
「百花、おやつにしない?」
「紅!」
使用人の服を着た紅がそこに立っていた。
「今日のおやつは、ラズベリーのケーキになります」
「ふふっ、なに?そのかしこまった言い方!一緒に食べようよ!」
「あははっ、ありがと。紅茶は何にする?」
「ダージリン!」
「はい、かしこまりました。お嬢様」
「もう、紅ー」
こうやって、紅とはふざけあったり、時には真剣な話をしたり。
転校した今となっては、たった一人の大切な友達だった。