強迫性狂愛
「あぁ、聞いたことはあるわよ」

「本当に?…紅の知っている話聞いてみたい!聞いてもいい…?」


思わず、前のめりになって紅に近づくと紅は、苦笑しながら


「とりあえず、落ち着いて。そうね…確か…私が聞いた話では、『陰華の巫女は交わりの巫女』って聞いたことがあるわ」

「交わりの巫女…?」

「ん、そう。ほら、セックスって…まぁ、交わりとも言ったりするんだけど、普通の人とは違うらしいの。陰華の巫女って」

「どんな風に…?」

「え?それは…詳しくは聞いたことないけど……陰華の巫女は、古代からどこかの血筋の家に守られていて、ある特定の人たちの下に陰華の巫女は送られるって…そんな話くらいだけど……それがどうかしたの?」

「…え、ううん。迅達がね、そんな話をしていたから気になって…」

「えぇ?黒澤様が?」

「う、うん…」

「黒澤家と陰華の巫女とは繋がりはないはずよ?」

「そうなの?」


はっきりと言い切る紅に、否応にも背中に嫌な汗が伝っていた。

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