強迫性狂愛
次の週の月曜日の朝――…授業が始まる前に、紅に買ってきてもらった雑誌を机の上で広げていた。


「何がいいかなぁ~」


パラパラと雑誌のページをめくっていく。


「はよ、百花」

「おはよう。海斗」

「なんだよこの雑誌…あぁん?なんだ女の雑誌かよ」

「…私が男の雑誌見てたら逆に変でしょ?」


もうっ!と怒った素振りを見せながらも笑って、海斗と机の上に雑誌を広げていく。


「ねぇ、海斗だったら、何か欲しいものある?」

「ねぇな」

「…、少しは考える時間ってないのかな?」

「迅にやんだろ?あいつは欲しいものなんてあるわけねーよ」

「ちょ…っ、あ…っな……」


なんで、海斗が私が迅に何かプレゼントを渡そうとかそういうことを知っているのかと、慌てて問いただそうとすると


「バカだよなー、ちんちくりんは。わかりやすすぎだっつーの」

「そんなことないもんっ」

「あいつは黒澤財閥様だぜ?欲しいもん手に入らないわけねーだろ」

「そっか…、」


こんなどこにでも売っているようなプレゼントなんて貰っても嬉しくもなんともないんだ…。

< 275 / 745 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop