強迫性狂愛
「それに、なんだこれ。この雑誌ほんとセンスねーんじゃね?」

「ひどいよ!百合ちゃんはいつもこの雑誌で…」

「百合ちゃん?」

「あ…と、前の学校で一緒だった子なんだけど。いつも、そういうの見て彼氏に買ってたから…」

「彼氏ねぇ…」


海斗の言葉でハッと今更…気付いた。

そうだ…私は、迅の恋人でも何でもないんだから…

こんなプレゼント、重たいだけなのかも…。

静かに、雑誌を閉じて、カバンの中にしまうと


「お前が迅にしてやりてぇことしてやればいいんじゃねーの?てゆーか、なんだ?迅の誕生日ならあいつ元旦生まれだぞ?」

「迅って元日生まれなのっ?」

「知らなかったのか?」

「知らない、知らない、知らないよ!」


そっか、そうなんだ。迅って、元日産まれ…すごい覚えやすい!


「ありがとう!海斗!!」


そのまま、満面の笑みで鼻歌を歌いながら授業の準備をし始める百花を


海斗は、いささか腑に落ちない様子で、眉を顰めていた
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