強迫性狂愛
ciel
その週末の金曜日。
迅と2人で、図書室に来ていた。
「久しぶりだね、ここにくるの」
「そうだな」
「なに読んでるの?」
ひょこっと迅の読んでいる本を覗くと
「おいで」
言われるがまま迅の前に行くとギュッ、と腕に閉じ込められたまま読んでいた本を見せられた。
「なにこれ?全部英語だ」
「そうだな」
「…見てるだけで、眠くなりそうだよ…」
「寝てもいい。こうして抱きしめていてやるから」
「…ありがとう」
迅は、変わった。
というか、私が気付かなかっただけなのかもしれない。
迅と体を重ねるたびに、迅は甘く優しくなっていく。
思わず、戸惑ってしまうほどに。