強迫性狂愛
そのまま、当たり前のように胸のふくらみに触れる迅の手を慌てて制した。


「だ、駄目だよ…。ここ学校だから」

「そうだな」


微笑みながら私のこめかみに唇を優しく寄せる。

思わず、その唇を求めて私も少しだけ背伸びをした。


「……は、ん…」


くちゅ、…といやらしくて、たまらない音が図書室に響いた。

それだけで、掴んでいた迅の制服を強く握り締めてしまう。


さっき、駄目だと言ったのは私のほうなのに。

求めてしまっているのは、自分のほうなんじゃないかって、思ってしまう。


「百花…」

「もっと、」

「……その顔」

「なに?」

「いやらしいな」

「…かえろ?」


むぎゅっ、と迅に抱きついた。


「どうして」

「………」


さっして欲しい。

そう思うのは、私のわがままなのかな。


「……帰るか」

「……ん、」

「寄るところがあるけど、いいか?」


私の顔を覗き込む迅に


「あ、当たり前だよ。いこうよ」

「……あぁ」


そのまま、何度も口付けをやめない迅に「早く、いこ」と声をかけた。
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