強迫性狂愛
「おいしそう~!!」


出てきたのは、真っ赤な大きなイチゴにふわふわのスポンジ。

間に挟まっているのはシンプルな生クリーム。

紅茶も飲まずに、添えてあったフォークを取りパクリと食べる。


「おいしい~~!!」


定番のショートケーキなんて、しばらく食べてなかった。

いつも目に付くのは、なんか豪華なタルトとかチーズケーキとか…チョコとかばっかりだったから。

それにしても、このショートケーキは本当においしい!

そう思って、隣にいる迅を見ると


「………っ」


すごく、柔らかい微笑で私のことを見つめていた。


「…どうしたの?」


あのいつもあった眉間の皺はどこへ…?


「いや、思い出していた」

「………?」

「母と…何度か来たことがある」

「ここに?」

「あぁ」

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