強迫性狂愛
第7章

本気



「さむいなぁ…」


お昼休みに、一人離れて学園の非常階段から外に出てみると、日差しは温かいのに、風が冬の装いを感じさせた。


「もう冬が来るのかぁ…」


そっと携帯を開いて、お母さんと一緒に映っている写真を眺めていた。


……何一つ、わからない。


お母さん、私…陰華の巫女なんだって。


ねぇ、お母さんは知ってた…?


知ってて、迅のところに私を………


「わかんないや…」


そう呟いて非常階段から覗く高く澄んだ青空を見上た途端に、携帯が鳴り始めた。

< 310 / 745 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop