強迫性狂愛
「昔から、陰華の巫女の立ち居地は決まっているのよ。そのこと忘れないで」

「立ち居地…?」

「あら…、知らなかったの?陰華の巫女は、嫁いだ先の本妻にはなれないの。決してね」

「…道浜様っ!!」

「態のいい、愛人ってとこかしら。体もよくて、病気も治って?まぁ、本当のところは知らないのだけど」


そう冷たく言い放った言葉に思わず視線を泳がすと、グッと紅が私の腕を支えてくれた。


「愛、人…」

「それに…陰華の巫女は大抵子供は望めない」


その言葉に顔を上げた。


「ふふ…本当に知らなかったのね。産めないというよりも、産ませないほうがいいっていうか…、陰華の巫女は妊娠したら力がなくなるって言われているのよ。だから…昔陰華の巫女を側においた人たちは、陰華の巫女が妊娠してもおろさせたり、決して妊娠しないように気遣ったそうよ。でも……そのせいで陰華の巫女が絶滅しかけたとか…聞いたけれど」

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