強迫性狂愛
「こちらがお召しかえのお洋服に…」

「あ、あのっ!」

「はい」


顔色一つ変えずに私を見つめるメイドさんに、少しだけ緊張する。


「ここって…」

「ここ?とは」

「えっと、ここって…」


私の言いたいことがわかったのか、メイドさんは一旦目を細めてから


「ここは、黒澤財閥の黒沢家本宅になります」


私の聞きたかった答えをあっさりと答えてくれた。


「黒澤…」


お母さんが言っていたことは嘘なんかじゃなかったんだ…。
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