強迫性狂愛
「意味がないの…」

「え?」

「夜は…、せめて夜は……私だけの迅でいて欲しいの」


百花の言っている意味がわからず眉を顰めると


「婚約者がいてもいい。私を…捨てないで……っ」


潤んだ瞳で真っ直ぐ見上げてくる姿に、保っていた糸がプツリと弾けとんだのがわかった。


気付いた時には、百花を押し倒して何度も口付けをしながら


百花のしなやかな体に手を這わせていた。


触れるだけで、体がピリピリとまるで感電するような感覚がする。


それは、ひどく心地よくて


百花の全てに――俺は浄化されているような感覚を覚えていた。


百花の両足を抱えて、百花の温もりに包まれると


あたたかくて


頭の中が真っ白になって


それは――…もう、一度経験したら手放せない、麻薬みたいなものだと俺は感じていた。

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