強迫性狂愛
「そんなの、つらい…つらいよぉ…――」


好きな人の傍にいられればそれでいいと、そう強く思っていた自分の気持ちは一体どこへいってしまったのだろう。


愛人でも


陰華の巫女でも


体だけでも…


そう思っていたのに…


想像していたよりも、現実は苦しくて。



「おかぁー…さ…」



苦しい時の、自分を慰める為の言葉。


母の名を呼んだまま…屋上の冷たいコンクリートの上で涙を零した。

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