強迫性狂愛
――…
「おかぁ―…さ…」
その震えるような声を聞いた途端…俺は、心が激しく痛むのを感じた。
教室でのやり取りを見て、心配になって百花の後をつけていた。
案の定、一人で涙を零す百花を慰めて、また俺の元へ来るように諭すつもりだった。
――…けれど、どうしてだろう。
俺は、百花に顔向けなんてできないんじゃないのだろうか。
本当の真実を話さず、ただ…強迫めいた脅しをかけて俺のところに来いだなんて。
俺は、親父と何一つ変わらないんじゃないか。
例え今、百花を手に入れられたとしても、心までは手に入らない。
人形だけだ。
魂のない、心のない……からっぽの人形しか手に入らない。
初めはそれでいいと、思っていた。
だけど――…俺はグッと拳を握り締めた。