強迫性狂愛
だけど、「黒澤」だなんて、聞いたこともない。

お父さんにも、お母さんにも親戚なんていないから、そういう付き合いの人もいない。

どうして、この黒澤って人が私を…


一晩眠っても、この疑問は解けなかった。


未だにベッドの中に座っていると


「お召しかえの前に、ご入浴はなさいますか?」

「えっ!?いい、いいですっ!」

「そうですか。では、こちらにお召しかえを」


そう言って、手渡された洋服は今まで着たこともないような、上質なお洋服。


「あ、あの…私、今日学校に…」


ちらっと部屋の中にある異常にゴージャスな掛け時計は8時を指している。


「昨日まで通われていた学校なら、すでに退学手続きがなされております」

「……え?」


昨日から次々と襲い掛かる衝撃的な言葉に、気が狂いそうになった。
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