強迫性狂愛
――…気にしない。


迅が、いないのはすごく寂しいけど…


ていうか、こういう時は連絡をくれたりするのに。


忙しかったのかな。


せめて、メールとかくれたら安心するんだけどな。


百花は、手の中にある携帯を思わず握り締めていた。


いつもは、前の席に座る海斗のピンクブラウンの髪が嫌でも見えるはずなのに、それさえも見えない。

功さんもいない、周りに誰もいないことなんて、転校してきて初めてのことだった。


授業中のはずなのに、突き刺すような自分への視線。

ギュッ、と唇を噛んで、今日家に帰れば迅に会える。

その想いを支えに、いつもより長い一日を終えた。

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