強迫性狂愛
「翔くん、やっぱりこの髪色がすごく似合うね」

「そうか?」


2人並んで昇降口を出て、車のロータリーまでゆっくりと歩き出す。


「うん、すごく似合ってるよ」

「そっか、ももがそういうなら坊主でもなんでも喜んでするよ。俺」

「……はは…」


思わず、下を向いて曖昧に笑いを零した。

翔くんの気持ちは、本当で本気なんだって、ちゃんとこないだ聞いた。

だけど…ううん、だからこそ、気持ちに応えられない自分がどういう態度でいればいいのか、こうして時々迷ってしまう。

気持ちは、嬉しくないわけないんだけど…でも……


なんとなく気まずいまま、下を向いた歩いていると


「百花、ほら乗って」

「あ、ありがとう」


翔くんに即されるまま、車に乗り込んだ。

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