強迫性狂愛
なんと言われようとも、お前は、俺のものだ。
自分勝手すぎる言葉を、私の頭上に落としてから、部屋を出て行った。
「百花さま。お召しかえを」
「……名前」
「はい」
「あの人の名前は…」
「黒澤 迅さまでございます」
「黒澤、……迅」
頭の中でもリピートしながら、着替えに手を取った。
「…あなたは?」
「私ですか?私は、紅と申します」
「べに…」
「はい。紅 由佳里と申します。紅とお呼びください」
「わかりました…」
それから、一言二言紅とやり取りをしたのち、紅は部屋を出て行った。
私は、静寂の訪れた部屋の中を着替えた服を着て、ゆっくりと歩いた。