強迫性狂愛
「本当は、高校卒業してからの話だったらしいんだけど。ほら柚香が、早く戻ってきたからとかどーのって」

「あ…、そうなんだ……」


思わず、さっき迅が握ってくれた手をグッと強く握り締めた。


「柚香は、ほんと迅のこと大事にしてたからな。友達としては嬉しいけど、百花は…」


声を落として、心配そうに私を見つめる海斗に


「あ、えっ?ううん。平気だよ。全然平気」


大丈夫なのだと、精一杯の笑顔を向けた。


「そうか?」

「あはは、だって…私は迅に拾われたようなものだし。おまけで陰華の巫女ってだけで」

「おまけって…まぁ、こればっかりは仕方ねぇよな」

「そうだよ、仕方ないんだよ」


その自分の言葉は――…


まるで自分に言い聞かせるみたいで


なんとしてもここにいてもいいんだって理由をこじつけているようでひどく…滑稽に思えてならなかった。

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