強迫性狂愛
―――……
「…もう午後の授業始まってる」
「いいじゃん。このまま帰るか?」
後ろから私を覗きこんでくる海斗に少しだけ笑って
「駄目。ちゃんとすることはしないとね」
「相変わらず、真面目ちゃんだなぁ」
「ていうか、なんなの?その頭の色。前から変だなって思ってたんだけど」
「あ?これお前が大好きだった人形の髪の毛の色じゃんよ」
「えぇ?」
「気付いてなかったのか?」
明らかに落ち込む海斗にクス、と笑って
「当たり前じゃない、気付くわけないわよ」
「色々お前と前に戻れるように頑張ってたのになぁ」
「……そういえば、本当に黒澤様と柚香…婚約したの?」
気になっていたことをやっと海斗に聞くことができた。