強迫性狂愛
「ずっと、軽蔑してたんだ。親父のこと」


「…どうして?」


「俺達を犠牲にしてまで、欲しいものなんて…意味なんてないって……憎んで、呆れてた」


「………」


「だけど……、今なら少しだけ理解できる気がする」


「そうなの?」




「――…俺は、百花が欲しい」




肌に突き刺すような風が頬を掠める。


吐く息も白くて


百花の白い肌をますます白く、透明にさせているように思えた。
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