強迫性狂愛
「どいてよっ!!」


「百花っ!」



私の手を強く握る迅に、カッと胸が痛くなる。


触れないで


柚香さんを愛した体で…私に――


触れてほしくなんかない……っ



「迅はっ…、私が陰華の巫女だから――…抱くんでしょ…、傍に…置いてるんでしょう……?」



自分で言っていて虚しくなる。



「そ、じゃな…っきゃ…、触れることなんてな……ぃぃっで…ふぅぅぅ~……っ」



ずっと、言いたかった言葉が次々と溢れていく。


こんなこと言ったら、迅に嫌われてしまう。


家を追い出されてしまう。


……そうだ、迅は…もう病気が治ったのだから


私なんて――…


必要ないにきまっている。


そうしたら私は、一人ぼっちになってしまう。


そう考えても、考えても――…これ以上、黙っていることなんてできなかった。
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