強迫性狂愛
好き



好き



離れるなんてできない。



「迅――…」



思わず、自分から迅の唇をねだった。


この温もりさえ感じられれば、忘れられる。


嫌なことなんて、永遠に溶けしまうと…思い込んで――…私は、現実から逃げていたんだ。


どうして、迅にきちんと聞かなかったんだろう。


どうして、昨日帰ってこなかったの?


どうして、メールも電話もしてくれなかったの?


――…柚香さんとは、どうなったの?


最初から、聞けばよかったんだ。


そうすれば――…大切なものを失わなくて、済んだはずなのに――…
< 422 / 745 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop