強迫性狂愛
たった数日迅に触れていないだけなのに、隣で寝息をたてる彼をこんなにも愛おしく思えるなんて。


そっと、迅の猫っ毛の髪を手で梳いた。


ふわりと漂ってくる匂いは、いつもの清潔感溢れる香り。


それが、なぜかひどく安堵するのを感じていた。





――…



「迅は?」


「今日は、自宅にいらっしゃるようです」


「そう」



静かに飲んでいたワイングラスを、窓辺に傾けて、満月が煌々と輝く夜空を見上げた。
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