強迫性狂愛
「え――…」
食事を済ませた後に、学園に向かう車の中で迅から聞いた話は――…こうだった。
冬休みの間、柚香さんが一緒に黒澤家に住む、という内容の話だった。
「悪いな。柚香がどうしても、と聞かないらしい」
「そうなんだ…、」
婚約者さんの言うことだもん、仕方ない。
仕方ない、頭ではわかってる――…だけど、
「迅は…?」
僅かな望みを馳せて聞いてみた。
「迅は、今回のことどう思ってるの?」
「今回のこと?」
「柚香さんが一緒に住むこと…」
「あぁ、仕方ないだろうな」
「そ、だね…。そうだよね…」
当たり前じゃない。
婚約者の柚香さんを大切にするのは、当たり前のことで…
じゃあ、私は…?
私のことは――…