強迫性狂愛
「落ち着いた?」
ゆっくりと開いた視界の中に見えてきたのは、白い天井、見たこともない部屋の中に自分がいるということ。
そして、ゆっくりと動かした視線の先には――…
「翔くん…」
布団から僅かに出ていた私の手は、翔くんが優しく包み込んでいてくれた。
「気がついてよかった。なんかすごく具合悪そうだから、医者に見てもらったんだ」
「そうなの…?」
「うん、取り合えず大丈夫だって。もし、何かあったら連絡してって言ってた」
優しく微笑む翔くんは、どこか泣きそうな顔をしているように見えた。