強迫性狂愛
「くだらねぇ。百花、ほら体冷えるから中入ろうぜ」


「翔くん…」


「あら、いつのまにか名前で呼び合っているのね。随分と仲がいいのね、ねぇ迅?」



幸せそうに、迅の腕を取る柚香さんを横目に見てすぐに翔くんに引かれるまま……門を開いて家の中に入った。


――翔に、支えられながら家の中に入っていく百花を見て、ほくそ笑んだまま柚香は、迅に話しかけた。



「ねぇ、迅。今日は――…」



絡めた腕をするりと外されて、迅は先ほど屋敷の中に入っていった2人の後を追いかけるかのように歩いていく。



「迅っ!ねぇ、待って…私も、」



今日まで、一緒にいる予定だったのに。


思わず、車の中のスーツケースを持って追いかけようとすると


迅がこちらを振り返った。
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