強迫性狂愛



「迅っ」



振り返ってくれたことに、ほっとして笑いかけると



「帰れ」


「え……?」


「お前は帰れ。柚香」


「だって…そんなのいやよ。おじ様とは明日まで迅と一緒にいるって約束……ちょ、迅っ!待ってよ!」



屋敷の中へと入ろうとする迅の腕を慌てて掴むと、迅はゆっくりと振り返った。


その可愛いクセ毛の中にある瞳は、ひどく鋭く私を捉えていて――…思わず、背筋が凍った。
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