強迫性狂愛
「おはようございます。百花さま」
爽やかな声と共に、やっと眠れた心地よさから瞼を開ける。
やっと、眠れたのに…
重たい瞼を擦りながら、紅の方へと視線を向けると
「今日は、こちらにお召しかえください」
準備された洋服に、なんの疑問も抱かないまま袖を通した。
「……これって、」
鏡を見て、戸惑っていると
「百花さま」
「わっ、」
突然かけられた声に驚いて声を上げた。
「髪の毛を整えましょう」
「…はい」
言われるがまま、鏡台の前に座っていると自分の髪を優しく梳き始めた。