強迫性狂愛
「紅さんって」

「呼び捨てでお呼びください」

「紅って…、いくつなんですか?」

「私は、今年で17になります」

「えっ!?」

「…、百花さま」


思わず、後ろにいる紅の方へ振り返ってしまった。


「あ、ごめんなさい」


17って、私と同じ…


「どうして、ここに?」

「紅家は、長い間黒沢家に仕えて参りました故…おかしなことでは、ありません」

「そうなんですか…」


それだけでは、意味がわからなかったけれど、有無を言わせない紅の言葉の雰囲気にこれ以上何も聞けなかった。
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