強迫性狂愛
幸せの紅茶
――…
「…うっ、…は……、っぁ」
いつもなら、迅との2人きりの登校時間を楽しみに、そして幸せに思う時間帯。
百花のその時間帯の過ごし方は変わりつつあった。
なかなか、力の入らない手に、無理やり力を込めて、洗面所まで立ち上がる。
汚れた口元を水でゆすいでから、大きな鏡に映る自分を見つめた。
「……頑張れ、百花」
学校に行く前に必ずといっていいほど、もどしてしまう。
必要以上に体力を消耗してしまうから、正直その後に学校に行くなんて行為はしんどい意外に何者でもなかった。
けれど
「行かなきゃ…」
迅が、待ってる。
その細い糸のような…けれど、切れることのない想いだけが、今の自分を突き動かしているように思えてならなかった。