強迫性狂愛
居心地の悪いまま、車は速度を早めていく。


後部座席に、迅と私。


助手席には…柚香さん。


私の右手は、迅としっかり繋がれている。


―…私は、この手を離すことなんてできるのだろうか。


考えたくない。


零れそうになる涙を堪えながら、百花は車の揺れにさえ酔いそうになるのを必死で耐えていた。
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