強迫性狂愛
「百花」
「翔くん…」
2時間目の休み時間、一人裏庭のベンチでゆっくりと体を休めていたら、いつのまにか翔くんが側にきていた。
「あ…」
ゆっくりと、体を直して立ち上がろうとした。
「いいよ。そのままで」
そっと手を掴まれて、翔くんは隣に座った。
翔くんの黒髪がサラサラと揺れている。
「――聞きたくは、ないんだけどね。…どうだった?」
そっと、瞳を閉じて。
翔くんには、ちゃんと言わないと…ごまかしたりなんてできない。
そう思った。