強迫性狂愛
視界に映る自分の両手をぎゅっ、と握り締めてから、緊張しているのか、掠れた声で話した。



「ん、……陽性だった…」


「そっか…」


「……驚かないんだね」


「そりゃ、することしてればできる時はできちゃうでしょ」


「―…そう、だね」



震える指先を擦った。


視界がどんどんぼやけてくる。


この数日間で泣き虫になったみたいだ。


もう……おかしいくらいに。


涙が溢れて止まらない。




「どうする?」


「………」



翔くんが聞いているのは、きっとこれからのこと。
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