強迫性狂愛
「―…産むの?」
「……ううん」
ゆっくりと首を振った。
「そっか……」
「できない、よ…」
そんなこと…できるはずがないよ…。
陰華の巫女であることでしか、私の居場所はなかったのに。
それを失ったら、もう…迅の側には――…
想像しただけで、胸がキリキリと締め付けられる痛さに、また涙が零れそうになる。
「取り合えずさ、病院行こう」
そっと、未だに震えている指先と、翔くんの温かい手が重なった。