強迫性狂愛
「では、ご朝食をおとりになって下さい」

「うん、ありがとう」


昨日の夜食べたから、少しは食べられる。

なんか素直には言いたくないけれど、黒澤迅には、感謝…なのかもしれない。

無理矢理にでも、食べさせてくれたから…。


部屋を出ようとすると、紅に声を掛けられた。


「百花さま」

「なに?」

「鷹城学園では、くれぐれもお気をつけ下さい」

「何に?」

「……いえ、以前の学校とは色々勝手も違いますので」

「そういうこと?うん。大丈夫だよ」

「何か困ったことがあれば、私にお申し付けくださいませ」

「紅も?同じ学校なの?」

「はい」

「じゃあ、少し安心!」

「では、お早くご朝食を」

「うん」


この時は、紅に言いたかった「気をつけて」の意味を微塵も理解していなかった。
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