強迫性狂愛



「百花、起きろ。そのまま寝たら風邪をひく。風呂だ。紅、風呂の準備を」


「はい、百花っ、寝ちゃ駄目よ!」



バタバタと紅が動いたのがわかった。


だけど、体はうまく動かなくて――…



「百花、何度も電話をしたのに…どこにいた?」



私を抱えながら、歩く迅に小さく言葉を返した。



「し…、ciel……」


「cielに?」


「………」



ひどいね、


私を一人にしたのは、迅なのに。


こんなことを聞くなんて…


それでも、あなたを憎めない私は…、こうして抱かれているだけで、泣きそうなくらい嬉しくて幸せになれてしまう私は……きっと、馬鹿なんだろうね。
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