強迫性狂愛

――…



「お風呂に入って、今は眠っています」



パタン、と静かに扉を閉めて、苛立ちを隠せない様子の迅に紅は静かに話しかけた。



「医者を呼ぶ必要は?」


「…取り合えず、今はそっとしておいた方がよいかと」


「そうか…」



言葉と共に、小さなため息を零す迅に、紅は思わず



「今日は、ご一緒のはずではなかったのですか?」



責めるような口調で迅を強く見つめた。
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