強迫性狂愛
弾む息を抑えながら、さっきから痛む胸も一緒に癒すように撫でた。



「…大丈夫、大丈夫」



瞳を閉じて、深呼吸をして、たいして用事もない職員室へと歩き始めた。


どうしよう、やっぱり…2人を見るのは辛いよ…


どこかで休んでいようかな…


そんなことを考えていた矢先の出来事だった。



「ゃあっ……っ!!」



ドンッと、思いっきり落ちてしまった数段の階段に震えて痛む足を擦りながら、手すりに掴まって立ち上がろうとする。



「なにあれ」


「なにしてんの?」



私を蔑んだまま笑い飛ばす野次さえも今は、気にすることなんてできなかった。
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