強迫性狂愛

――…



「百花。今、入院の手続きも済ませてきた」


「本当に、ごめんなさい…」



無理矢理体を、ベッドから起こそうとすると



「無理しないでいいから」



そう言って、私をベッドに優しく寝かせて、傍にあるイスに腰掛ける翔くんに



「そっちにソファーもあるよ…、そっちのほうが」



そんな固くて小さなイスじゃ…



「いい。百花の手を握っていたいから」


「……っ、かけ…ぅく…っ、」



こんな状態を見られるなんて、悲しすぎて耐えられないと思ったのに


翔くんは、何も言わずに駆けつけてくれて、黒澤にばれると困るだろう?と十河の名前で入院手続きを済ませてくれた。
< 523 / 745 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop