強迫性狂愛

空回りする想い


――…



「なぁ、百花は?」


「確か早退したと聞いてたけど、違うの?迅」


「………」



2人の話がいつも以上に苛立つ。


もう21時を過ぎようというのに、一向に連絡が入ってこない。


心配して、さっきから何度も電話をかけているのにも関わらず、だ。


俺は、2人の会話を聞き流したまま、また携帯を耳に当てた。



「――…ねぇ、さっきから何気にしてるの?柚香ちゃん」



ニッコリと微笑む功に、驚いたかのように顔をあげる柚香は携帯を手にしたまま、目を細めた。
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