強迫性狂愛
「誰から?」


「――え?」


「誰からか電話じゃないの?」


「あー、ううん。メールだったみたい」


「ふぅん…、さっきから携帯気にしてたみたいだけど、それもメールなのかな?」



微笑みながらも、どこか冷たい視線を私に向ける功にキッと視線を返して



「失礼ね!そんなことどうだっていいじゃないっ!」


「なんだよ、柚香。突然っ」



私の声に、驚いたかのように騒ぐ海斗に一度だけ視線をやってから、わざとらしくため息を零した。



「もう、やってらんない。帰る」


「迅、送ってあげないの?」


「いい、平気だから。百花さん帰ってきてないんでしょう?いいわよ」


「…悪い」



迅のその言葉に、柚香は笑って



「ううん、気にしないで。またね」



黒澤家を足早に去っていった。
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