強迫性狂愛
「あ…、朝…」


「大丈夫か?大分うなされてた」


「ゆ、め……?」



独り言のように小さく呟くと翔君は、私の頭を優しく撫でて



「朝ごはんは?食べれる?」


「ごめんなさい…、なんか食欲ない…」



夢のはずなのに、未だに苦しい胸と震える手が、昨日ことは現実なのだと知らしめるように感じていた。



「…そっか。一度先生に診察してもらったら、帰ろう」


「………」


「―…帰りたくない?」


「え……」



思わず、翔君の顔を見上げた。


黒髪から覗く、その瞳に、縋りたい。


逃げたい。


逃げてしまいたい。


迅…っ、私は―……
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