強迫性狂愛
コンコン、
小さく、それでも響く音で部屋の扉をノックする。
「百花、もう学校に行く時間だけど、休むの?」
声をかけるものの、何も返事のないことに、眉を寄せながら扉を開いた。
「百花?」
部屋を見渡しても、百花は見当たらない。
一体どこへ行ったのかと、部屋に足を踏み入れると
「あ、紅…」
化粧室から、現れた百花に目を疑った。
「ちょっと、なにその顔色…」
「や、やっぱり…ちょっと、顔色悪いよね?」
曖昧に笑う百花を叩きつけたくなるほど、百花の顔は色白く、目の周りは真っ赤で…たった2日顔を合わせないだけでこんなにも人は変わるのかと思うくらい、雰囲気が変わっていた。