強迫性狂愛

――…



「紅、百花は?」


「具合が悪い為お休みされる、とのことです」



相変わらず、車の助手席には柚香が乗っている。


紅は、そのことでも苛立っていた。



「…そうか、わかった」



そのまま、前を向いた迅に、



「黒澤様!それでよろしいのですか」



紅は、思わず食って掛かった。



「…なに?」



柚香がいる前でこんな感情的になるのは、やめた方がいいことくらいわかる。


だけど、あんな状態の百花を置いて。


そんな涼しい顔をされるのは、もっと許せなかった。
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