強迫性狂愛

――…


走り出した車内の中で、柚香は心配そうに話しかける。



「迅…、何かあったの?大丈夫?」


「お前には、関係ない」



紅と同じ言葉を返された柚香は、口落ちそうに唇を噛んだ。



「…百花さんには、迅より十河さんのほうがお似合いなのかもしれないわよね」



何気なく言った一言のつもりだった。


迅に一言返してやらないと気がすまないだけの一言のつもりだった。
< 556 / 745 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop