強迫性狂愛

――…



百花は、制服を脱いで部屋着に着替えた後、静かにベッドに横になった。


もう、潮時なのかもしれない。


この家から出て行ったほうがいいのかもしれない。


私は……今、迅を見るのは、辛過ぎるから。


もう、二度と会えないかもしれなくても…


出て行った方が―…



「ック…、や、やだよぉ……迅…んっ」



ベッドの中にもぐりこんで涙を零す声を、紅は扉の向こうで聞いていた。


あのまま学校になど行く気にもなれず、ならば、百花の傍でせめて話を聞いてあげたいと思い、紅茶を入れて戻ってくると、すすり泣く声が聞こえたのだった。
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